日テレ感動の「24時間テレビ愛は地球を救う」は何が問題か?自己犠牲の正体は?


日テレ感動の「24時間テレビ愛は地球を救う」は何が問題か?自己犠牲の正体は?

24時間テレビ愛は地球を救う

季節はずれだが、たまたま日テレのチャリティ番組「24時間テレビ」に対する批判の話を目にしたので、チャリティとか募金とかについて、どのような距離感が妥当なのか、考えてみた。

この番組にあわせて日本中で募金活動が行なわれる。勿論お金集めだけでなく慈善活動も行なわれる。弱者に対する援助も様々な形で行なわれ幾つかは番組で紹介される。

社会貢献活動全般に光りが当たる。

日陰の目立たない活動に光りを当てることで理解者を増やし結果的に支援になる。自分の活動がテレビに出るだけでも嬉しく思う人もいるかもしれない。

番組関係者や、タレント芸能人の類も番組協力する。真面目な番組だから、出演者の印象も変わる。まあ、普通は好感度が上がる。



何が問題なんだろう?

慈善活動は、それ自身が自己満足的なものであったり、欲得と裏返しの名誉を得るものであったり、ネガティブな側面が無い訳ではないが、基本的には人間愛を秘めた自己犠牲的な精神に支えられてもだ。

日常的に直接的に人助けをしている、医療従事者や、消防活動従事者も、社会貢献を職業としているだけで立派な慈善活動といえる。職業選択の時点で自己犠牲的な発想があったと考えたい。

医者の中にも環境の悪い無医村へ出かけたり、国境なき医師団に参加したりする人と、都市部でお気楽にクリニックを開業する医師を同列に見ることはできない。都市部のお気楽クリニックは単に高額収入の職業を選んだにすぎないとみられる。自己犠牲も感じなければ尊敬を得ることも少ない。

慈善活動のキーワードは自己犠牲と考えてみると、この番組の問題が少し見えてくる。



一番の仕掛け人の日テレの自己犠牲は何か?

最初は大事な番組を止めてでも特別編成をおこなうことは余計な手間が掛かるから余計な出費を強いられるので十分自己犠牲的と言えたかも知れない。少なくとも当初は。しかしスペシャル番組のノウハウが蓄積され、また圧倒的な視聴率を取れば、興業的成功となってしまい、其処には自己犠牲のかけらも無い。ただの利益追求する企業組織でしかない。

会社は株主の所有物だから、利益を放出する形の自己犠牲は株主総会で予め承認でも得ていない限りは無理な話だ。政治献金が否定されるのも同じ理屈。それでも社会的責任活動費として一定の枠なら認められるだろう。

日テレ、あるいは読売グループの企業としての自己犠牲が明確に示されていなければ、この「24時間テレビ」は人の善意にたかるだけの悪質な番組となる。日テレの本意とは違った評価を受けるのは日テレの自己犠牲が示されていないからだ。集まった募金の集計を高らかに発表する前に日テレはどれだけ協力したのか。日テレは大もうけでしたとやるのか?

「24時間テレビ決算書」

自己犠牲を求める市民感覚と、損するなという株主感覚と、両方に答えられる透明な決算書。これを作って公表できるなら、日テレも立派だけど。

日テレ社員の自己犠牲は何か?

社員であり市民である人たち。この日は有給休暇にして只働きをするのか?。いつもと変わらない日常なのか?。番組のために働く委託先も何が自己犠牲になるのか?。一人の市民として募金するだけなのか?。

ボランティアにマイクを向けてインタビューしているアナウンサーにはお金を貰ってその場に立っていて、インタビューを受けている人は無給あるいは持ち出しでその場に立っている。相手には自己犠牲を要求し、自分は何も失わない。必死の絶叫アナウンスは共感を求めているものだろうが、お前にはその資格はないと切り捨てられても可笑しくない。

出演者/事務所の自己犠牲は何か?

出演料は辞退しますと事務所が言うのか。出演料にぶら下がって生きている多くの人間が居るから辞退はできないのか。

自分は金儲けの場に立ち、無給薄給で頑張る慈善活動の人たちに声を掛けている出演者はどういう存在だろう。

タレントが映し出されたら、この事務所は出演料を辞退しましたとテロップを流すのがいいだろう。でお日テレも根性が無いからそんなことは出来ない。自分も辞退しないのに出演者に辞退させるわけには行かない。

スポンサー企業の自己犠牲は何か?

この日はスポンサーなしで始まっていたと思うが今頃は割りと普通にコマーシャルが流れている。

広告は全て企業名テロップに変えてもらって構わない、とでも言えば若干自己犠牲かな。広告は打てないのだから。日テレにはテロップ広告代を払い、普通の広告相当を募金すれば立派なものだ。むしろ嫌がるのは日テレかも知れない。

「24時間テレビ」現象は慈善事業を食い物にするビジネスモデルを日テレが作り上げたと考えると分かりやすい。ネット上の怒りは当然だし、他局が似たような企画の番組を始めているのも理解できる。好感度が上がって金儲けも出来る。

「愛は地球を救う?」現実は日テレを儲けさせているだけではないか?

しかし、

これからは必ずしも好感度は上がらない。弱者に群がる守銭奴の日テレかと胡散臭く見る人が増える。流していい広告なんかユニセフとか赤十字あたりに抑えなければ駄目でしょう。弱者のことをこの日は皆で真剣に考えましょうといっておいて、いつもの広告を流す無神経さ。広告会社のイメージは最悪。こんな企業はどんな緊急時の対応もいい加減だろうとおもう。

視聴者の自己犠牲?

番組を見て、実態を理解すること。共感を持って支援機会を持つこと。

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