ソニーはなぜ復活できないのか?母港を忘れた漂流カンパニー?


ソニーはなぜ復活できないのか?母港を忘れた漂流カンパニー?

松田久一(MR生活総合研究所代表)なる人の記事を読んだ。タイトルは『苦境ソニーが陥った構造的問題と打開策を検証 「ハードとソフトの相乗効果」という罠』というもの。

http://biz-journal.jp/2014/08/post_5785_3.html

タイトル自体の着眼は面白そうだが、中身は一般論が並ぶだけで期待した割には詰まらない。確かに昔は総合力などと根拠が今一なものもあった。相乗効果はそれを言い換えただけのレベルで根拠は今一だ。そのことを具体的に看破しているのは流石と言いたいが、この単純な論法では解が得られないのではないか。

実企業での実務経験がどの程度か分からないが、もしくは調査がどの程度深堀されているか分からないが、もっとリアリティの感じられる提言が期待される。



ソニーの復活再生は一般人にとっても重大関心事だ。しかし素人が見ても分かる本当に使えそうな処方箋が見当たらない。その前に、何がソニーの問題かすら分からない。

現象は利益が出なくなったこと。デカルト的に探ると、本業(ソニーが生まれ育ったオーディオビジュアル事業領域)で赤字、補完偉業(保険、金融、ゲームなど)で黒字。

ソニーは電子機器アプリケーションの会社だったのに気づいたら総合企業みたいに見えるコングロマリット化していた。僅かな年数でのことだ。エレクトロニクス分野で確立したソニーブランドを利用してできることは何でもやったが、結果は空洞化というかエレクトロニクス部門の求心力の低下。

経営に迷いが出たころだろう。いや、コングロマリット化を進めた時点で既に経営陣は方向を見失っていた可能性がある。

ソニーとは何かの議論を嫌というほどやっただろう。ソニーをソニーであらしめる価値は何か?。

結論としてはソニーの経営陣はろくでもない奴ばっかりが続いたのだろう。強みを取り戻す前にれ忍術で目先の赤字を凌いだだけだ。

エレクトロニクス部門には明確な大企業病。現場を知らない人にはこの病気は見抜けない。現場を知るリーダー格は箱ポン事業立ち上げのために引き抜かれている。派遣と委託に頼る研究開発だ。製造じゃない。もっと重要なコアプロセスまでが他人頼みなのだ。

その結果、アイデア技術の商品化までの時間がかかることになった。それに改善の速度が遅い。先行していた筈が、競合に直ぐに追いつかれてしまう。



ソニーは数字は大企業だが、持っているプロセスはただの中堅中核企業のレベルだろう。選択と集中を議論する以前のレベル。もともと人材は薄いのに箱ポン事業に人材を避ける余裕はなかった。大いなる勘違い。



ハードとソフトのシナジーなどと本当に経営が言っているのかな?。意味不明だ。一つ一つが尖っていなければ勝ち残れない。そこには期待できるシナジーのひとかけらもない。

人気の投稿:月間

人気の投稿:年間

AWS コンピュータービジョン開発の教科書 (Compass) Kindle版

AWS コンピュータービジョン開発の教科書 (Compass) Kindle版
Lauren Mullennex (著), Nate Bachmeier (著), Jay Rao (著)

人気の投稿

Vision

Vision
Vision Kindle版 ハンス・P・バッハー (著), サナタン・スルヤヴァンシ (著)
ご注意:当サイトの記事は基本的に備忘録の類です。不適切な表現、誤った内容を含むことがあります。無断リンク・転載などはご遠慮ください。