- この記事が意味するものは何だろう?
- 高齢化は日本だけでなく先進国は世界的な話か。中国さえ高齢化に入りつつある。後進国が人口増で成長期に入るが、経済指標が追いつくには時間が掛かるだろう。10年くらいを要するだろうか。
- 金融資産は蓄積から消費に変わる。引き締め効果が自然発生する。金を集めるには金利を上げる。金利が上がれば株などリスクから引き上げが始まる。調整の逆回転。これも10年間だ。
- だから?常識的にはハイリスク商品(株式・不動産)からローリスク商品(預貯金・短期債権)に引き上げる。東京オリンピックのころには失速が表面化するからその2年前の2018年までに移動を完了させたい。6割~8割。少しは残すこと。
- 後進国のキャッチアップが早いと世界全体では目立った落ち込みは現れない。グローバル型の商品なら影響を受けないだろう。だから、切り替えるのは先進国に投資していたものが優先される。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M109M20150305?sp=true
アングル:世界の貯蓄が数年で右肩下がりに、株高・低金利は反転も
2015年 03月 5日 13:16 JST
3月5日、現在の世界的な資産価格高騰や超低金利は貯蓄の拡大を原動力としているが、高齢化によりこの流れはあと数年で終わる──。投資家はあまり注目していないが、金融大手が最近こぞってこうした分析を発表した。写真は、スイスフランとユーロの紙幣、2014年撮影(2015年 ロイター/Ruben Sprich)
[ロンドン 4日 ロイター] - 現在の世界的な資産価格高騰や超低金利は貯蓄の拡大を原動力としているが、高齢化によりこの流れはあと数年で終わる──。投資家はあまり注目していないが、金融大手が最近こぞってこうした分析を発表した。
過去1週間だけでも英バークレイズと米ゴールドマン・サックスがそろって高齢化についての分析を発表した。最も貯蓄を増やす傾向にある退職前10─20年程度の労働者人口が過去30年間拡大を続けてきたことが現在の貯蓄過剰の主因であり、1980年代末以降の債券利回りの大幅低下につながった、との見解で両社は一致している。
米モルガン・スタンレーも昨年10月、同様の分析結果を報告している。
過去最高値を更新し続ける金融資産や不動産価格にとって不吉なことに、3社はともに、この世界的な貯蓄ブームが少なくとも数年中に終焉を迎えるとの結論を導き出している。そしてそれが金融市場に激震を及ぼし、反転させる恐れを秘めているというのだ。
「『中心的貯蓄者』層の拡大はほぼ終わった。世界的な金利低下が終わりに近づいている兆しだ」とゴールドマンのエコノミスト、シャロン・イン氏は記した。
バークレイズのマイケル・ギャビン氏も中心的な貯蓄人口が近く減少に転じることに注目。「世界的な資産価格の主な押し上げ要因はピークに達しており、数年中に急激に減退していく」と警告している。
モルガン・スタンレーのチャールズ・グッドハート、フィリップ・アーファス両氏は昨年のリポートで、ゼロ金利やマイナスの実質金利は「ニューノーマル」ではない、とくぎを刺した。貯蓄と人口動態の調査から導き出される「ほぼ不可避の結論」として、実質金利は間もなく反転上昇するとの見通しを示した。
<逆風>
資産価格が一段と高騰する今、3社の見通しは注目に値する。
過去1年間というもの、世界主要国の金利は「消滅」状態となり、欧州や日本では国債利回りがゼロやマイナスまで低下した。
実体経済がある程度回復している米国や英国でさえ、10年国債利回りは5年前の半分の水準に低下している。
この現象は世界金融危機後の「ニューノーマル」論の中で説明されることが多い。危機後の対応で導入された中央銀行の量的緩和策が金利をさらに押し下げ、昨年は原油安もこの流れに拍車を掛けた。
企業収益の伸びが鈍っているにもかかわらず、低利回りの債券から株式への乗り換えで株価は高値を更新し、企業は低利で借り入れた資金を自社株買いに回し、これが株価をさらに押し上げた。
ここで数十年続いた貯蓄過剰が反転するとすれば、世界経済は大転換を迎える可能性がある。
労働者は退職前の10─20年間に貯蓄を最も増やし、退職した途端に貯蓄超から消費超に転じるため、現在債券その他の固定利付商品に蓄えられている資金が徐々に引き揚げられることになる。金利上昇と足並みをそろえて世界の潜在成長率が上昇するのでない限り、株価には下落圧力がかかるだろう。
債券と株がともに何年も下落を続けるとすれば、投資家や今後の退職者だけでなく、世界経済全体にとって頭の痛い話だ。
バークレイズの推計では、世界の貯蓄は10年後に15%超減少して国内総生産(GDP)の約3%に相当する減少額となり、20年後には25%減、GDPの6%近くに相当しそうだという。
国や地域ごとにある程度の違いはあるだろう。ただ3社の分析はいずれも先進諸国と新興諸国の貯蓄行動を合わせた世界全体の見通しに基づいている。
これらの調査をめぐる最も奇妙な点は、「逆張り」的に見える見解で3社がほぼコンセンサスに達していることかもしれない。何人の投資家が耳を傾けているかはまた別の問題だ。
(Mike Dolan記者)
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