就職がままならない人がいるというのに「人手不足倒産」って何?本当にあるの?
設備投資・店舗展開を先行させたものの肝心の人員が集めることができず、結果投資回収ができず倒産に追い込まれることらしいが、最近増えてきている事例とか。
何が起きているのだろう。
若者がいない。現役世代の人がいない。
嫌、派遣・パート労働人口が増えて反って企業は安定人材が確保できなくなった。
情報があふれかえる一方でブラック企業の実態も分かってきたから、仕事の選別がシビアになった。
ユニクロなどは企業は大きいけどブラックのレッテルを張られている。
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http://toyokeizai.net/articles/-/181710
中小企業の「人手不足倒産」が広がりつつある
2017年上期の件数は4年前の2.9倍に
猪澤 顕明 : 東洋経済 記者
2017年07月26日
人手不足は中小企業で、より深刻だ(写真:kikuo / PIXTA)
「人手不足が原因の倒産件数」は4年前の2.9倍に増加――。人手不足の問題が各方面で顕在化する中、そんなショッキングな数字を帝国データバンクが7月10日に公表した。しかし、データを取りまとめた同社・産業調査部の加藤達朗氏は、この結果を比較的冷静に受け止めている。
「事実として、足元の人手不足による倒産件数は4年前の2.9倍に増えている。ただ、全体の倒産件数に対する比率はまだ大きいとはいえない」
同社のまとめによると、2017年は上半期(1~6月)の人手不足による倒産件数は49件と、前年同期比で44.1%増となった。集計を開始した2013年以降では初めて40件を超え、2半期連続で前年同期よりも増加した。だが、同じ時期の全体の倒産件数が4247件であることと比べると、その割合は1割にも満たない。
業種や規模を見ても、影響は拡大しつつある
とはいえ、今回の結果を楽観視できるかといえば、そういうわけでもない。「母数が少ないながらも、業種の偏りや倒産する会社の規模に変化が出てきている。人手不足の影響が広がりつつあるのかもしれない」(加藤氏)。
負債規模別の件数を見ると、2016年上半期は「1億円以上5億円未満」が14件だったのに対し、2017年上半期は23件に増加。「10億円以上」もゼロだったものが、今回の調査では5件になった。人手不足によって倒産する企業の規模は大きくなる傾向にある。
一方、業種別で見ると、調査開始以降の4年半の累計では「老人福祉事業」が19件で最多。「道路貨物運送」の17件、「ソフトウエア受託開発」の16件がこれに続く。いずれも介護士免許や大型自動車免許など特殊な資格やノウハウが必要な業種であり、こうした条件が付くと人材の募集・採用が難しくなる傾向があることが読み取れる。
http://toyokeizai.net/articles/-/181710?page=2
中小企業の「人手不足倒産」が広がりつつある
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猪澤 顕明 : 東洋経済 記者
2017年07月26日
ただ、2017年上半期に「運輸・通信業」と並んで前年同期比133.3%増という大幅な件数の伸びを示したのは「小売業」だった。足元では、特殊な資格やノウハウが必要でない業種でも人手不足による倒産が増えている。
たとえば、愛知県で眼鏡小売店「メガネ卸センター平和」を展開していたヘーワ。1992年の創業で、最盛期には年商5億円超、正社員40人に達していたが、創業時からのメンバーが社員を引き連れて独立したことで人手不足に陥った。賞与もわずかしか支給できず、退職者が相次ぎ、8店舗の運営が困難に。2016年11月から家賃を滞納するようになり、今年2月に手形不渡りを出し、廃業に至った。
「小売店のスタッフはそこまで高度な技能を要求されないが、折からの人手不足の影響もあり、待遇や給与面を理由にして従業員が離れていく事例が散見される」(加藤氏)
賃金を引き上げても、販売価格への転嫁は困難
特に都市部は企業数が多く、募集段階から企業間の競争が激しくなっているという。裏を返せば、従業員も辞めやすい環境になっているわけだ。実際、都道府県別の4年半の累計では、「東京都」が39件でトップ。22件の福岡県、18件の北海道、大阪府がこれに続く。
今後、人手不足によって人件費が上昇していけば、それに見合った販売価格への転嫁が必要な局面になる。だが、眼鏡のような商品が急に値上げできるわけではない。高齢者の再雇用も広がっているが、彼らが建設作業員やシステムエンジニアとして働くのは困難だ。
「人手不足がIT化などの省力化投資を呼び起こした面もある。ただ、人手不足が行きすぎてしまうと、人件費の上昇を省力化で補いきれず、収益の圧迫を招く。産業構造が変わらないかぎり、こうした状況は解消されず、今までの投資意欲を削ぐ可能性がある」(東京商工リサーチの松永伸也・情報部部長)
日本商工会議所がまとめた「人手不足等への対応に関する調査」では、全国2776社の中小企業のうち、6割の企業が「不足している」と回答した。現状では全体の1割にも満たない人手不足による倒産だが、先行きの改善が見込みづらい中、今後はさらなる影響の拡大が懸念される。
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