「嫌がらせ弁当」?これって母と娘の愛情物語でしょう?
※
海苔を使ってメッセージを書くのは凄いね。口で言うより効果的かも。
3年間ですか。多分、500回は作っているでしょうから、達成感ありますよね。 多分。最後は本にしたのは結構根性あるというか執念深い性格かなと思います。少し恐怖しますね。
※
反抗期の娘に毎日「嫌がらせ弁当」 母3年の軌跡が本に
若松真平
2015年2月20日11時32分
写真・図版2013年11月1日の「食欲減退」=三才ブックス提供
高校生になって反抗期を迎えた娘に、母は手作り弁当で立ち向かった。嫌がらせ弁当と名付け、3年間、「キャラ弁」を持たせた。言葉ではなく弁当で「すべてが思い通りになると思うな!」とメッセージを送り続けた。今年1月、最後の弁当は「表彰状」だった。
【画像多数】(withnews)貞子から缶コーヒーまで弁当で再現。最終日は娘に感謝「表彰状」重箱
嫌がらせ弁当を作り続けたのは、東京・八丈島に住むKaoriさん(44)。きっかけは、次女の反抗期だった。「無視されたり、返事をしなかったりといった態度にカチンときて、仕返しの意味を込めて始めました」
ホラー映画の主人公を昆布のつくだ煮やソーセージで表現したり、缶コーヒーのパッケージをのりとチーズで再現したり。月日を重ねるにつれて、メッセージ色が濃くなっていった。
「誰かに見てもらいたい」と自らのブログ「嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」に写真を載せた。驚くほど反響が寄せられ、毎朝の弁当作りが快感になった。
勉強しているかどうかが気になった期末テスト前。ウィンナーでタモリさんをかたどって「べんきょうしてる?」と尋ねた。母の日に何ももらえなかったときは、チーズでカーネーションを表現し「随時受付中」のメッセージを添えた。
次女の高校卒業が近づくなか、のりで書いたメッセージが増えた。「無駄と思うことも本気でやれ!」「夢を叶(かな)えろ!!」
そして弁当持参の最終日、今年1月27日。母は、1人で食べきれないほどの大きな重箱の中にメッセージを書いた。
表彰状 娘殿 あなたは嫌がらせのお弁当を残さず三年間食べ続けました。その忍耐を称(たた)えここに表彰します。 母
ブログは「今日も嫌がらせ弁当」(三才ブックス)として出版された。本に次女もメッセージを寄せた。
友だちはみんなすごい! 可愛い! って言っていましたが私は可愛いなんて思いませんでした。
でも、どんな時でも出来合いのものではなく、手作りだったのはすごいと思っています。
今まで私のためにやってくれたこと、すべてに感謝しています。
Kaoriさんは本が手元に届いて初めて娘の思いを知った。「何度読んでも泣いてしまいます。作り続けて本当によかった」(若松真平)
◇
■最後のお弁当を作り終えた日のブログ(一部抜粋)
毎朝早起きをして作るお弁当は大変で逃げ出したくなるときもありました。
普通に作るだけでも大変なのにキャラ弁ともなると時間はかかるし手間はかかるし大変さは倍以上。『ママ~、明日は○○のキャラ弁ね♪』なんて娘が喜ぶようになったらキャラ弁なんてやめようと決めていたけれどそんな声はあるわけもなく……
そうなるとお弁当作りも戦いよね
私とあなたの戦い
戦いと言ってもママひとりが勝手に戦ってたんだけどね
でもそんな戦いを続けてるうちにお弁当作りは楽しさに変わりました。ランチタイムにお弁当のふたを開けた時のあなたの顔を想像しながら作るお弁当。それは楽しくて……
逃げ出さずに3年間もお弁当を作り続けられたのは普段何もしてあげられなかったあなたへのママなりの愛情。お弁当を通じいろんな事を教えてくれたあなたへの感謝の気持ち
お弁当にはたくさんの思いがこもっていたんです。そんなお弁当が今日でラストなんて……
そう思うとやっぱり悲しいよね
◇
《キャラ弁》 ごはんやのりなどの具材で漫画やアニメのキャラクターなどをかたどった弁当。簡単につくるための調理用具も販売され、人気は高い。「衛生面や栄養面で配慮が必要」といった指摘もある。※