話が通じない相手と話をする方法
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滅多にないことだけど、訳の分からない奴に出くわす時がある。住んでいた世界がまるで別。価値観が全く異なる。という次元の話ではない。同じ奴が平気で矛盾することを口にして来る。一種の病気だろうと思うが、普通は表に出ないから普通人に見える。緊張の刃の上に立たせてみると矛盾が顔を出す。理屈などどうでもいい。反対のための反対。所謂パワーゲームに走る奴。
この記事はもっと上品なケースの対処法だろうか。普遍的な対処法だろうか。やってみないと分からない。人間社会は、多かれ少なかれ、常に異文化交流の社会だから。
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「会話=パートナーシップ」という見方をしてみよう
ピーター・ボゴジアン : 哲学者 / ジェームズ・リンゼイ : 文筆家、批評家
2024/02/18 17:00
信頼関係を築くための会話には9つのポイントがあります(写真:mapo/PIXTAピクスタ)
仕事でもプライベートでも、良好な人間関係を築くための条件は「相手を信じ、信じてもらうこと」。しかし、些細な会話のすれ違いから、相手の信用を失ってしまうという経験をした人も少なくないのではないでしょうか。
会話をするうえで意識しておくべきこと、避けたほうがいいことは何なのか。信頼関係を築くうえで知っておきたい具体的な会話術を紹介します。
本稿は、『話が通じない相手と話をする方法――哲学者が教える不可能を可能にする対話術』より、一部抜粋・再構成のうえお届けします。
分断をもたらすような話題は避ける
ラポール(調和した関係)とは親近感の一種だ。ラポールを会話のパートナーとの間に築くことができれば、相手に親しみを覚えるようになる。その親しみの感覚があれば、双方ともに心地よさを感じ、気が合い、互いに共感し、信頼関係を築くことができる。
シンプルで友好的な雑談において最も重要な要素とは、分断をもたらすような話題を避け、人々を結びつけることである。そうした態度から生み出される親近感という魔法こそが、[そのあと進めたい]目的のある会話にとっても不可欠なのである。
会話とはすなわちパートナーシップなのだ、という見方ができさえすれば、それだけでよい会話ができるも同然であり、そのうえで実際に友好的な雰囲気を作り、そして維持することができれば、状況はさらに良くなる。
個人個人の立場が違えば違うほど、ラポールを築き維持することの重要度は高まる。もっと言えば、「関係が深まれば深まるほど、[あなたの対話相手]は自分の立場を守ろうとむきにならなくなるし、提案に対してよりオープンな姿勢を取るようになっていく」。→次ページラポールを築くために必要なのは「誠実な質問」
ラポールを築くためには、誠実な質問をするように心がけよう(つまり、本当に答えを知りたいと思うような質問をすべきで、議論上の戦略としての質問を発してはならない)。
見知らぬ相手なら、映画や音楽について、あるいは共通の友人とはどうやって知り合ったのか等の話題が、ラポールを形成するための初手としてふさわしいだろう。
もし相手のことをすでに知っているのであれば、少し時間を割いて近況について話してみよう。子どもや親は元気か、新居はどうか、といった話題だ。通常、文脈にもよるが、会話の最初にラポールを築くには数分しか要さないものだ。
覚えておくべきは「まずは友人であれ」
すでにラポールが出来上がっているのであれば、友人と接するときのように、議論に勝つことやうまいことを言おうとすることよりも友好的な関係を保つことを優先するはずだ。友人であればそうでない赤の他人よりは聞く耳を持つものだし、こちらの考えを真剣に吟味してくれるだろう。
しかし、それよりもはるかに重要なことは、彼らがあなたの友人であるという事実である。出来上がったラポールはじっくり育て、大事にし、壊れないように気をつけよう。これは、友人の意見には反対すべきでないという意味ではない。むしろ話は逆で、不同意が友情をさらに強いものにすることもありうる。
ただ覚えておくべきは、まずは友人であれ、ということだ。揉めそうな話題に移る前に、ラポール形成の段階を楽しむために時間を割くこと。そして、あくまで友人として雑談し、目標のある会話は一先ずおいて、友情に集中することを忘れないこと!
→次ページラポールを構築する具体的な方法
さて、ラポールを構築するための具体的な方法を見ていこう。赤の他人に対しても友人に対しても使えるものだ。
1.ラポールはただちに形成すること。
いきなり本題に入らないこと。特に、論争的なテーマの場合はそうだ。
2.知らない人に対しては、次のような使いやすいとっかかりの質問でラポール形成を始めること。
●「こんにちは。Xと申します。お元気ですか?」
●「はじめまして。私はXです。お名前伺ってもよろしいですか?」
●「ここに来るのは初めてなんです。この場所のことはどこで見つけたんですか?」
相手の動機や関心を探る
こういったアイスブレイクのための質問のあと、ただちにラポール形成のための質問で相手の動機や関心を探ろう。
●「それが重要だとお考えになる理由を、もう少し伺ってもよいですか?」
●「そのことに興味を持ったきっかけは何ですか?」
●「休みのときはどんなことをして過ごしますか? 何か情熱を注いでいることはありますか?」(「普段お仕事は何をされてますか?」とは聞いてはならない。それでその人の真の関心事が分かることはほぼない。)
●「なんとお呼びすればよいですか?」
●「それについてはどこで知ったんですか?」
→次ページ3つめは?
3.共通の土台を見つけること。
会話のパートナーとあなたの間には、数え切れないほどの共通点があるはずだ。例えば、どちらも柔術をやっている、寿司が好き、タトゥーがある、SFファン、もうすぐ子どもが生まれる、近所に住んでいる、政治的な問題意識が高い、等々。
もし会話が熱くなってしまったときには、こういった共通点があったことを思い出すことだ。サイコパスを除いて誰にでもあてはまる共通点の一つに、[何であれ]善きものを求めようとする感情がある。
あなたも会話のパートナーも、自分自身や友人、所属するコミュニティが最も善い状態になることを望むはずだ。最善の結果がどのような様相をしているかについては意見がわかれるかもしれないが、より善く生きること[という目的]は根本的な共通点の一つであるはずだ。
ラポールを壊してしまう「パラレル・トーク」
4.パラレル・トークをしないこと。
パラレル・トークとは、誰かが言ったことをあなた自身やあなたの経験に引きつけて語ってしまうことである。例えば、誰かがキューバから戻ったところだということを話しているときに、あなたがキューバに行ったときのことを話し始めてはならない。
その人がキューバで経験したことに耳を傾けよう。人の話を自分の話にしてはいけない。パラレル・トークはラポールを壊してしまう。
5.関係形成に精力を注ぐこと。政治的な見解は脇に置いておく。
友情から信頼やオープン・マインドが醸成され、それが分断の間に架かる橋のように作用する。次の格言を思い出そう。「あなたがどれだけものを知っているかなど誰も気にかけない、あなたがどれだけ気にかける人なのか分かるまでは」。
この言葉で言われているのは、会話のパートナーのことを、そして会話のパートナーが気にかける色々なことを、あなたが気にかけているかであって、あなた自身の政治的・道徳的なこだわりについてではない。
→次ページ6つめは?
6.中身のある会話を始めるのは、そのために時間を割きたいと思うときだけにすること。
焦ってはいけないし、「当て逃げ」のようなこともやめよう。他人の考えに深く関わる時間がないなら、できるときがくるまで取っておこう。会話で無理強いをしたり急かしたりすると、ラポールが損なわれてしまう。
もし時間が限られているのならば、そのときはラポール形成や近況報告のための時間にあてよう。
カジュアルな別の課題に切り替える準備をしておく
7.他のことも話せるようにしておくこと。
伯父が宗教や政治の話から離れないので親戚の集まりが台無しになった──こういう経験はあなたにもあるはずだ。その伯父さんのようになってはいけない。
会話が泥仕合のようになってきたら、よりカジュアルな別の話題に切り替えられるように準備をしておこう。会話が揉めそうな話題から一度離れたら、それを蒸し返すような人になってはならない。話題を強要してしまうとラポールは壊れてしまう。
8.コール・アウトは避けること。深刻な違反行為があったときを除いて。
コール・アウトとは、誰かが倫理的に一線を踏み越えたときに、そのことを即座にかつ棘のある言い方で当人に伝えることで、恥をかかせようとすることである。
コール・アウトの後にはしばしば倫理的な指図が続く。「○○をすべきだ」とか「○○はすべきではない」といったように。コール・アウトすること、とりわけ相手が深く考えを巡らせているときにそうすることは、ラポールを損ねる。
→次ページ懸念を表明するための方法
あなたの懸念を表明したいのであれば、もっと繊細な、時機をみたやり方を探ろう。多くの場合、相手は考えを表現するのに最善を尽くした[結果、不適切な発言をしてしまったのだろう]。
礼を失した発言についてコール・アウトするのではなく、当人が何を言わんとしているのか理解しようと努め、発言の意図は真正なものだったと認めよう、それがどれだけぶっきらぼうなものだったとしても。
もちろん、わざと失礼に振る舞ったり口汚い相手には、臆することなく立ちあがって、声をあげ、明確な線引きをする必要がある。そうしないのであれば会話を終えるまでだ。
9.礼儀正しくあること。
「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と言おう。加えて、誰かが反論を述べたり、あなたの意見に同意しないようなときにも、「ご意見いただきありがとうございます」と言おう。
会話をするために重要なのは「聞く力」
あなた自身の経験を思い返して、話を聞くことの重要性を考えてみよう。夕食に招待したいのは次のどちらだろうか。
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「なんでも」知っていて相手を説得しようとするばかりの人か、それとも、親身になってあなたの話に耳を傾け、会話に引き込んでくれ、話を聞いてくれていると感じさせる人だろうか。
熟練した聞き手を友人に持つという幸運に恵まれているのならば、どちらを夕食に招待すべきかはすでに明白だろう。
人は、話を聞いてもらえると深い満足を感じる。だから、良心と真心をもって話を聞くことによって受けられる見返りは莫大なものなのだ。
話を聞かなければ、相手を理解することはできない。相手を理解することができなければ、会話などというものは存在しない。
聞くことは見かけよりもずっと難しい。だから練習が必要である。会話する際には傾聴の態度を中心に臨むよう、できることをやろう。
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ピーター・ボゴジアン 哲学者
ジェームズ・リンゼイ 文筆家、批評家
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