2014年8月20日の広島市大規模土石流災害は犠牲者の数が40人を超える悲惨なものとなった。
山際とは言え市街地で何か所も同時に土石流が発生するのは広島市固有の状況と言えなくもないが、ここに至るプロセスを調べれば、想定外の大雨による自然災害では済まされない事情が出てくるだろう。
唐突に見えるだろうが、都市の規模が都市の運営を容易とする政策が、何年も続けられている。東京一極集中は、その方が利便・生産性・経済性に有利に働く環境があるからだが、地方は地方で県庁所在地などの都市に一極集中が進んでいる。
広島市は闇雲に宅地開発を進めた。安易に開発許可を出してきたのだろう。
広島市の安全軽視の姿勢の結果に他ならない。
広島市自身が広島はもっと危険な地形の個所が多い都市と認識しているのだから、安全基準は厳しくてもおかしくない。実態は山を削って市街地化を進めている。
マサド?。この地方特有の砂交じりの土のことらしい。このことは当然広島市は知っている。
広島市の安佐地区で今まで土石流が一度も発生していなかったか?。それはあり得ない。この地区の地形自身が土石流が繰り返されていたことを示している。
今回の災害は多分に人災であり、安全対策は何もなくて市街地化を進めた広島市と広島市長の責任と考えるのが妥当だろう。
不思議でもないだろうが集合住宅は、伏流水の流れを避ける位置に建造されている。すなわち、どこが危ないかは広島の土木関係者なら誰でも知っていることだろう。
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上流の環境も調べる必要がある。山の保水能力や排水能力に関連する工事が実施されていないか。森林の伐採、道路建設、ゴルフ場、不適切なダムなど。
広島県は利権型の国会議員がいるらしいから、金を動かすための無駄工事が存在していないかは気になるところだ。
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テレビでは警報を出すタイミングを問題にしているが、それは本質を見失うことになりかねない。
解説も論点がずれている。
土石流が発生しなければ災害にならないし、宅地開発をしなければ災害にならない。土石流が破壊力を持って達成した地点がどこかを調べれば、そこが宅地化の限界点とわかる筈だ。その地点は昔から何らかの印が付いていた筈だ。
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