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靖国問題を正しく理解するための試行錯誤?


靖国問題を正しく理解するための試行錯誤?

今日テレビを見ていたら、終戦記念日だから、靖国問題の解説をやっていた。よく分からない。例によって隣国はイチャモンを付けてくる。連中は日本を加害者みたいに扱うが日本人も立派な被害者だ。それを押しのけて未だに反日教育を続け政治利用を続ける。許しがたいことだ。日本人にとっても戦争の始末は未だ終わっていないと思っている人は少なくない。”戦後は終わった”と誰かが言っていたが、それは”まやかしの政治”の汚点の一つだろう。



テレビの解説に出ていた人。多分、有名人だろうと思う。大原康男・神道学?。でもこんな人の意見を聞いても靖国問題は見えてこない。問題の中に入り過ぎている。加えて批判的精神に欠けている。靖国問題を具象化したような存在に見える。他山の石?。すなわち、この学者先生?みたいな発想が問題の根源である可能性だ。国際問題の不理解が混乱を大きくする。

しかし、面白いね。西郷隆盛は靖国に祀られていないのは有名な話。最後に明治政府に刃向かったからだ。明治維新最大の功労者だけど、派閥争いに負けて命を落とした。あれほど国のために尽くしても祀られない。”死んだら同じ”ではないのだ。時の政府の都合が優先して神になるか逆賊のままかが決まる。西郷が没してから100年くらいになるだろうが未だに祀られないのはどういうことか。合祀する機会を与えていいじゃないか。

しかし、このことにこそ靖国が国際問題となる根拠が存在する。

合祀あるいは合祀の是非は時の政治の都合、時の国家の主張であることが、靖国を政治問題の原因とし、結果、国際問題につながる。



A級戦犯とは何か?。東京裁判にて国家犯罪者として認定されたものだ。連合国が14人?を認定し日本政府は同意した。14人は死刑または獄死だったか。日本政府はサンフランシスコ講和条約を結んで国連に復帰した。日本政府は14人を戦争犯罪人として認めたのだ。14人は立場を利用して、立場の役割責任に背いて国家に反逆した存在として認定したのだ。

この流れの中では、A級戦犯は、言わば、西郷隆盛と同じ状態だ。だれもが国を思って頑張ってきたときもあるが、最後は反国家的であったと認定したわけだ。だから合祀の対象にはならない。これが国連加盟時の日本政府の立場でありコミットなのだ。

繰り返すと、「A級戦犯は国家に背いた」とするのだから、決して合祀はしないし、してはいけないのだ。



ここから滅茶苦茶が始まる。利害関係のない人が外から眺めれば、殆ど喜劇に見えるかも知れない。



なんということか、靖国神社が、ある日突然、勝手にこの14人を祀ってしまった。合祀したのだ。始末が悪いことに、靖国の理屈は一旦合祀したら切り離すことはできないというもの。交じった血はもはや分けることは不可能という訳らしい。一度でもミスしたら修復不可。一体誰が言い始めたか。この辺にも胡散臭いものが感じられる。

靖国は法的には一宗教法人に過ぎないのに、日本国政府(日本国家)の判断と違うことを独断でやってしまったのだ。これが全ての問題の出発点。「靖国神社のクーデター」と言ってもいいでしょう。日本政府の建前を否定したのだ。

(1)靖国神社は日本政府より上位にある。少なくとも宗教法人として独立している。
(2)靖国神社は東京裁判を受け入れていない。 講和条約に調印できなくて国民が困っても靖国は関係ない。東京裁判を問題視する意見は内外に少なくない。

ダブルスタンダードみたいな状況に陥った。日本政府の建前と靖国の建前が不一致を起こしている。

国際社会が見るのは法的には一宗教法人に過ぎない靖国神社ではなく日本政府だ。

西郷隆盛はNGだけどA級戦犯はOKとする靖国に参拝するのは、東京裁判の受け入れ、サンフランシスコ講和条約を拒否する態度な訳だ。

宗教・信条は日本では自由だから個人的に靖国へ行くのは勝手だろうが、公職にあるものが靖国行くのは日本政府の建前に反するので処分の対象になっていい。国会議員も同じことだ。大臣職にあろうがなかろうが駄目なことは自明。総理大臣なんてもってのほか。しかも、個人としてでもNGなのに総理大臣としてとやれば完全な違反行為だ。

死んだら全員英霊という真っ赤な嘘 を平気で口にする恥知らず。東京裁判で死刑になった人は西郷隆盛と同じ立ち位置です。いや、西郷隆盛より残念な状況でしょう。それでも英霊にする。片手落ち?。靖国神社は説明責任を果たしていない。犯罪者によって戦地に送られて命を失ったものが、どうして無謀な命令を出したものと同じところに祀られるのだ。遺族だって納得していない。靖国の暴走だろう。暴走とは言えは、それは意図があったとみるべきでしょう。

要するに靖国参拝を繰り返す人は、個人、私人、公人にかかわらず、東京裁判を私は受け入れないという主張だ。玉串奉納だって同じことだろう。

東京裁判を受け入れないから安倍総理から戦後レジュームの変更とか美しい日本が出てくるのでしょう。

(1)イチゼロの議論でなく、東京裁判~講和条約の何を受け入れて何を受け入れないのか明確にする。
(2)東京裁判~講和条約を日本政府の責任でやり直す。または検証する。
(3)結局、現在の日本政府のポジションを明確にする。

今の靖国参拝の議員たちは何の説明責任も果たさないで国民に苦痛を与えている。これは戦中の政府や軍の態度と同じだ。

靖国に代わる施設を作らないのは、彼ら自身が靖国に同調しているから、すなわち、東京裁判も講和条約も否定しているからだ。彼らにとっては靖国でなければ意味がないのだ。

本当に英霊を祀りたい(祭りたい)なら、西郷隆盛もその部下たちも入れる。戊申戦争の犠牲者も入れる。五稜郭、新選組も入れる。

こういうことは靖国の勝手というなら、政治と宗教の分離を徹底すべきだ。いずれにしても今は矛盾状態。いずれにしても条約違反。韓国や中国がクレームするのは当然だろう。



政治と宗教の分離。

これが最期のデッドラインだ。

総理大臣が参拝するのはそのデッドラインを超える行為だ。だから隣国が騒ぐのは当然。

靖国はそもそも戦地で死亡したものだけを祀るのではないのか。どうして大本営でラッパ吹いていた連中まで良くも悪くもだが、合祀したのだろう。政治が働いたからに違いない。



無責任な政治家。説明責任を果たさないで、なし崩し的に、戦争国家体制を作ろうとしている。

正しく説明し、正しく、強健な国家を作るべきでしょう。