「しあわせの記憶」渡辺謙主演
MBS開局65周年記念番組
新春ドラマ特別企画
変った設定の家族の姿。それぞれの夢、思いを追いかける。ハッピーエンド風に終わっているが、決してハッピーエンドとは言えない主人公の姿。
離婚した男は金に困ってアパートを追い出され、娘の会社に行って娘から金をもらう。母親の行動監視が条件。母親はコーヒー屋といい中になっている。
下の娘はコンビニのアルバイトで正規社員にならない。好きな男の夢に乗って最後は農業の研修に。
上の娘、会社をやっている方、ベトナム辺りに出かける雰囲気だ。
女3人はそれぞれの伴侶と新しい道。主人公の男は一人残って、仕事もなしに、どうするのだろう?
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結局、この男の幸せは記憶の中のことだけで、過去にとどまったままなのだ。
この男が一時的に戻って手助けをしたように見せているが、実際は女3人の過去の記憶が自らを奮い立たせただけのようだ。
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作者の言葉(渡辺謙の台詞)の印象的なことは、子供あるいは家族は最初の5年間で一生分の思い出を作ってくれるというところ。
其れさえもままならない家族もあるだろう。
フィナーレで再び孤独になった渡辺は「しあわせの記憶」を胸に抱いてこれからも明るく生きていくということだろうか。
しあわせの形というタイトルに変えても理解できそうな作品。
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