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クレーマーとは?正しいクレーマー対処術!

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クレーマーとは?正しいクレーマー対処術!
クレームを生業とする人。クレームすることにより利得を意図する人。こういう定義をすると弁護士なんていう職業はクレーマーの本業も本業だな。違うとすれば他人のクレームを利用して金儲けをしていることかな。本人がクレーマーをやっていることも少なくないだろう。

1のミスを咎めて1以上を得ようとする人。

0のミスで0以上を得ようとすると明確な詐欺になるが、1のミスで1以上を得ようとする場合も詐欺的で犯罪になりかねない。

一方、世間には、お詫びの場合は倍返し、三倍返しということもありふれたことでまかり通っているのも事実。特定の社会、組織、地域では、一つのルールのようなものになっている。倍返しをしなかったら逮捕される訳ではないが、その組織では居場所を失いかねない。

だから、

クレーマーと言ったとしても、金額価値の小さな範囲なら、この程度を狙った(期待した)顧客に対してクレーマー扱いをするのは行き過ぎだろう。

とくに、量的評価が難しい不手際・失礼・うっかり・錯誤・迷惑・不信感・二度手間・面倒などについては、 販促品・粗品・景品などでお詫びの印しにするのは当たり前のことで、全くクレーマー以前の話だろう。

まして、不手際を繰り返すなどしていたら、クレームされるのが当然のことで、最大限の誠意を示すべきは言うまでもない。



謝罪の形

  • 馬鹿をやったと思ったら直ぐに謝ることだ。出向いて謝罪。上司を連れて行く。言訳、釈明はしない。これをやると謝罪そのものを否定して自己矛盾を起す。謝罪に来たのか自らの正当性を主張しに来たのか。馬鹿の上塗りだ。
  • 話を聞く。聞き上手でないと駄目だ。言い分をしっかり受け止める。怒り、クレームの本当の理由を理解する。背景にあるものも理解する。
  • その場で結論を出す。持ち帰る場合はクレームを言う相手として失格であると宣言するようなものだ。上司の価値なし。少なくとも方針を明確にして一両日中に会社としての結論を出す。結論も方針も顧客の納得できるものであることが大事。要するにこれで手打ちにしましたよということは双方で理解になっていなければいけない。時間を置くと、社内も客先も面倒になる。
  1. 金品の請求を受けたら:実害の範囲を超えて金品請求があると、法的な問題に触れる可能性があることを伝えた方が良い。
  2. が、それを盾にとって全く話を聞こうとしない態度をとれば、問題を大きくする可能性がある。不手際をやって顧客に迷惑を掛けてしまったと言う事実は残っているのだから、話を聞く態度だけは残しておかないと駄目。客が暴走する理由をこちらで作るようなものだ。
  3. やはり、妥当なラインでお詫び・誠意を何かの形にしなければいけないだろう。
クレームに対する注意事項

クレーマー(悪質な意味でのクレーマー)という先入観・思い込みを持って接してはいけない。これはとても大切なことだ。 市民の良識による問題指摘をクレーマー扱いすることは逆に企業が非難の的になりかねない。企業の管理レベル自体が世間に問われることになる。クレームの原因を作った営業だけでは済まされなくなる。何としても真摯な態度、誠心誠意が表に出ていないといけない。

(威力業務妨害)

顧客が大声を出したら?。他の顧客もいるようなところで非常識な大声、汚い言葉が発せられたら、足をテーブルの上に乗せて来たら?、机を激しく叩いて来たら?、これらは営業妨害として相手を訴えることもできる。しかし、その時に注意するなど何も言わないで録音でもしておいて相手を訴えたりしたら、その行為自体が悪質の誹りを受ける。打ち合わせの内容によっては適切な場所を用意していたかも問われる。

相手が明らかに犯罪者の淵に来ているような人なら別だが、いきなり警察呼びますとか、言えばますます興奮して逆効果になるのは必至。自分が本当に危険に晒されている場合は警察呼ぶのは当然だが、相手を黙らせるために警察なんて言い出したら、自分で全てをぶち壊すことになる覚悟がいる。事を荒立てるのは、正義が自分にあることが確実で無ければ行けない。

自分で非常識なミスをやっておいて、謝罪も不十分なまま、警察沙汰にしたら、世間からも会社からも非難されてしまう。最悪は適当な理由で解雇されてしまう。

何処かの記事を真に受けて、やることやらないで強く出るとブーメラン効果で自分が何倍も痛い目に合う。その記事は最後まで面倒見てくれる訳ではない。会社が大事なのは、出来の悪い営業でなくブランド。営業を斬る方がブランドを守るために必要と判断したら、後ろから引導が渡される。

(脅迫)

ラーメンにゴキブリ。理髪店・美容院のカットミス。良くある話。ラーメン代無料、カット代無料、で済ましたいところだが。常識的にはそれでは収まらない。ゴキブリに気付いたから良かったが、気付かずに食べさせられて運悪く体調崩す羽目になったらと考えるととてもラーメン代無料では割が合わないのは当然。見掛けのお金はラーメン代だが、危険な目に合したり、リスク領域に陥れた罪は残っている。普通の常識なら、倍返し、三倍返しの領域だ。永久無料などと言ったら非常識な要求で脅迫の領域に入るが、ラーメン代だけで済まそうとする方も非常識と理解すべきだ。

実際の話、不手際とケチな対応の顛末がネットなどを使って流布されたら、事実を述べられただけでも営業にマイナスになるのは当然。

営業の不手際に非常識なレベル(法外な金品請求など)で付け込んで来たら、それは脅迫だから弁護士や警察と相談する話になるが、不手際に対して何の誠意も示さなかったら自分もまた非常識の誹りを受けるのは必至。

自分が不手際をやっておいて、それを放置しておいて、顧客が切れたら脅迫と騒ぐのは以ての外です。世間の常識に沿う誠意を見せて、それでも法外な要求が出たら、その時初めて、脅迫罪になる可能性がある。何もやらないでおいて、客がエスカレートして来たら訴えるなんて非常識は通る訳がない。基本を間違えてはいけません。

えっと、一般に脅迫は、金品請求が無くても、言い方やしぐさや内容で、相手が恐怖を感じる様な行為が該当します。

(恐喝)

こちらは明白に金品要求です。プロのクレーマーはここがゴールですが、自分でこのエリアには入ってくることはありません。善良なクレーマー(?)はうっかり金品に対する要求を口にすることがあります。怒りが収まらない場合はその穴埋めを分かりやすく考えてつい金品を思いつくものです。

待ってましたと飛びついて、それは恐喝ですから訴えますとやれば、自分も無事では済みません。最初にケチを付けたことを棚上げして、相手の非だけを咎めては駄目。どれだけ誠意を示しても非常識な金品要求があるなら、恐喝になると説明するのです。善良なクレーマーは自分が線を踏み出していたことに気付きます。もしくは、営業は誠意を尽くしたつもりが全然通じていないことがわかる筈です。

プロのクレーマーは大人しいですよ。騒ぎません。騒いでもいい事ないことを知ってますから。要求を出しても、倍返し、三倍返しのレベルを超えるようなことはありません。法外な要求、非常識は絶対にやりません。そもそもクレーマーの方から金品の話はしません。せいぜい反社会的勢力の人が日常的に使うように誠意を見せてくださいぐらいでしょう。

上司がびっくりして法外な金品相当を積んでも決して受け取りません。小さなサービスを時間を掛けて少しずつ受け取ります。

全く違った局面で、しっかり値引きとか、無料サービスとか、兎に角、正規のサービスの形で持っていきます。営業は断ることが出来ない。そういう心理状態にさせられています。一度睨まれたら怖いです。担当を変えろなんて絶対に言ってきません。不手際をやった営業は、プロのクレーマーにとっては大事な虎の子です。

(強要)

半沢直樹の世界を思い出しますね。土下座。流行しました。コンビニでもやってましたから。土下座をしろと言ったら強要になるかと言えばノーです。土下座で済むなら、自分の非が許されるなら、いくらでも土下座しますよ。自分に非が無いのに土下座を強要されたら、本当の強要です。非が無いのに謝罪を要求されても同じです。

非があって謝りたいから頭を下げたり、感極まって土下座したりすることはいくらでもある話。客が頼みもしないのに自分で土下座する人いますが、プロのクレーマーからすると迷惑な話です。善良なクレーマーには効果があるかもしれません。善良な市民からしても迷惑な話です。

土下座しろと言われて拒否したのに更に要求して来たら強要になるかもしれないが、納得してやったのなら強要と言うのは難しい。言った言わない、やったやってない、の水掛け論だ。結局、下手な対応をしている営業自身が非難されかねない。

相手がヤクザさんで身の危険を感じた時は別です。緊急避難で土下座でも何でもしましょう。

(不退去)

営業妨害と同じだが、店を閉める時に出て行ってくれない。店を閉めなくても、退去を要請しても従わない時は、不退去になる。個人の家なら家宅侵入。個人の家と違って、お店の場合は、特定の客を理由なく差別的な扱いをすると別の問題が顔を出すので難しい。閉店時間に出て行ってもらうのは普通のことで、拒否したら会社が困るから不退去で警察を呼ぶのは無い訳ではない。

ところが、不始末をやった営業が逃げ回って会おうとしないなどの状況が加わると、話は変わってくる。警察を呼ぶこと自体が社会から非難される。組織犯罪の匂いまでしてくるからだ。

プロのクレーマーなら逃げ回って会ってくれなかった事実、誠意を示さなかった事実を淡々と積み上げるだけで、返ってくれと言われたら黙って帰る。無駄足させた不誠実が残るだけだ。



どんな法律があっても:

営業に非がある場合は、直接被害の弁償は当然。メンタルな被害に対しては、または金品価値で測れない迷惑を掛けた時は、常識を逸脱しない範囲で誠意を示す必要がある。

一見のお客さんに渡すようなノベルティなどでは当然失礼でしょう。

お歳暮・お中元のレベルの例えば菓子折りを持っていく。不始末の程度によっては、倍返し三倍返しのレベル。全部菓子折りだと馬鹿だから、普通は商品券とかカタログギフトとかにする。

謝罪に何を持参するか

謝罪は基本的に出向くこと。これ大事です。打ち合わせとか別件で顧客が来社した時に出て行って謝罪するのは最低中の最低。序での謝罪といって鼻から謝罪になっていない。こちら側は謝罪したつもりでも、顧客は決して謝罪と受け取らない。後で序での謝罪と知れれば全く逆効果になるのが落ちだ。最初から謝罪をしたいと言って、顧客側から出向いてくれるとなった場合は問題ない。

謝罪に出向くのだから、相応の手土産は抱えることになる。金額換算は、少なくていいと判断できるクレームについては3千円程度が目安。大変なことをしでかした場合は、金額を上げるのは当然。とは言え、総額が10万を越えたり、5万円を越えたりしてはいけない。世間の非常識レベルに行ってしまうからだ。説明がつかなくなる。

  1. 3千円の菓子折り。何は無くても菓子折り。手ぶらで謝罪に行けますか。謝罪が必要な場合の90%はここで収まる。
  2. 菓子折りと、5千円の商品券かギフトカタログ。
  3. 菓子折りと、1万円の商品券かギフトカタログ。
  4. 菓子折り・酒などと、2万円の商品券かギフトカタログ。謝罪が必要な場合の95%はこの線で収まる。
  5. 菓子折り・酒などと、5万円の商品券かギフトカタログ。辛くてもここで収めたい。ほぼ100%。
  • 菓子折り・酒などと、10万円の商品券かギフトカタログ。これは少しやり過ぎ。これを越えたら、取引に反映させないと社内の扱いも拙いことになる。どこかに判子も必要でしょう。このレベルが謝罪の形の上限でしょう。特に例外的な問題を抱えた場合。業種にもよるが、現場対応の限界。
  • 営業が、家電品とか、自動車とか、オプションやアクセサリーがあるものなら、あるいは役務サービス商品があるものなら、見掛けの金額を大きく出来るので、加えても良いが、押し付ける形になってはいけない。
 金額ばかり並べて笑えるが、一番大事なことを繰り返すと、誠意(態度、言葉づかい、クレームに対する理解、反省と謝罪の意)を示し、明確な損害は賠償(または賠償の約束)し、更に気持ちの表れとしての手土産で、3千円でも10万円でも同じで、これで一件落着させること。改めてお詫びに上がりますと言ってはいけない。今日がそのお詫びなのだから最後にしなければ。

見損じがあった場合は、客は更に侮辱されたと騒ぐから、収拾が返って難しくなるので、事前に十分話を聞くことが本当に大事です。

特に注意すべきは、発端となった不手際ばかりに目が行きますが、客が騒ぐ多くの場合は、不手際発覚後の対応の拙さに対してです。直ぐに謝罪していれば菓子折り3千円だけで済んだところが、放置したり拗らせたりして何か月も要して漸く謝罪なら、何段階もランクを上げて出向くしかないでしょう。まして、年度をまたいだり、1年以上も掛けたら、それだけで非常識の固まりですから言語道断。事業内容にもよりますが、10万、20万の単位になるのは当然。

いずれにしても時間を掛けるのは最悪。それだけ大変な侮辱になります。上司とか、マネージャーとかの値打ちはここです。部下が逡巡しているときには、率先して問題を整理し、顧客対応に入って、速やかに落としどころを探ります。部下の逡巡を見て見ぬ振りするような上司は上司の価値ゼロ。降格配転するしかない。問題を大きくするのも、小さく済ませるのもマネージャー次第。