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独占企業の横暴を許す司法判断は歴史に恥を残す?通信キャリアの2年縛りも解消?



独占企業の横暴を許す司法判断は歴史に恥を残す?通信キャリアの2年縛りも解消?


この問題は裁判でも論じられているが、不適切な司法判断が問題解決を遅らせてきたように見える。合理性・必然性のない勝手な業者のルールを容認してきた司法は国を滅ぼしかねない。行政サイドが是正に動いた勘定だが、担当した裁判官は自分の判断を恥じているだろう。恥にも思わなければ誰にとっても残念だ。



http://toyokeizai.net/articles/-/67498

スマホの「2年縛り・自動更新」がなくなる?
GW明けに議論スタート、携帯3社の反発必至

田邉 佳介 :東洋経済 編集局記者
2015年04月26日

ユーザーの不満が多い「2年縛り」に見直しの動きが出てきた(写真:今井康一)

「2年縛り」の契約期間で購入することが多い携帯電話。高額な解約金がかからずに解約できるのは、契約期間の24カ月が過ぎた25カ月目の1カ月間のみだ。これを逃すと、また解約金がかかってしまう。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手は、この更新期間を2カ月間に延長し、かつ、契約期間の満了をユーザーにメールで知らせる仕組みを今期中に整える方針を示した。通知メールは6月末までに開始、更新期間については12月末をメドに延長する考えだ。
高額の解約金にクレーム多数

この方針は、総務省が4月20日に開催したICTサービス安心・安全研究会(2020年代に向けて消費者保護ルールなどの課題を検討する有識者会議)で示された。実際、更新月を逃すと高額の解約金(各社とも9500円)がかかることについては、以前からもクレームが寄せられている。2013年度に国民生活センターに寄せられた1万0133件の苦情・相談(携帯電話に関するもの)のうち、解約関連は3226件と最も多く、解約料や契約の自動更新に関する件数は前年度より増えている。

研究会では、このように、更新時期に対してユーザーの認識が不足していることから「携帯会社による契約内容の説明方法や、契約期間終了を通知する仕組みの改善状況を検証し、検討していく」といった報告書を2014年12月にまとめていた。

携帯各社はこれまでも、毎月の請求書やユーザー向けページで契約期間を表示したり、希望者に対して契約期間終了をメールで知らせるといった取り組みを実施してきたが、それを一層強化することになる。

そもそも、携帯電話会社が契約期間を2年としているのは「2年間継続して使っていただくことを前提に通信料金を割引している」(NTTドコモ)という事情があるからだ。ドコモの場合、契約期間を定めなければスマホの通話定額が月額4200円だが、2年契約の場合は2700円に割引している。同様に、ソフトバンクの基本プランである「標準プラン」は1867円だが、2年契約のホワイトプランなら930円。KDDIも2年契約だと基本使用料が約半額になる。



http://toyokeizai.net/articles/-/67498?page=2

いずれも2年契約でないプラン(解約金なし)を選択することは可能だが、かなり割高になるため、実際にはほとんど利用されていない。KDDIはホームページ上に掲載していないほどだ。ユーザーとしても、解約金が発生しないとはいえ、それ以上に割高なプランを利用するメリットは薄い。携帯会社は戦略的にユーザーを2年契約で囲い込んでいるのが実情だ。

ただ、今後はこうしたプラン設計自体が変化する可能性が出てきた。総務省は2年縛りの是非を検証する有識者会議「利用者視点からのサービス検証タスクフォース」を4月20日に設置し、5月の連休明けから議論を開始する。これは研究会の構成員から「最初の2年契約は理解できるが、その後はユーザーが自由に解約できるようにすべきではないか」といった意見が多かったためだ。
夏をメドに方向性を打ち出し

総務省は「公正競争の観点から、海外の例も含めて検証していく。携帯電話会社にはヒヤリングを実施することになる。夏をメドに一定の方向性を出したい」(消費者行政課)としている。携帯会社にとって2年縛りの契約・自動更新は経営戦略の要。猛反発は必至だろう。



巨大市場の米国においても「2年縛り・自動更新」は携帯会社の主流になっている。唯一の例外として、業界4位のTモバイルUSが従来の携帯会社からの脱却を意味する「脱キャリア」戦略で2年縛りの撤廃を打ち出している(2013年4月開始)が、これは市場規模の成長や上位の会社からユーザーを奪取するという目算があってのこと。スマホの販売台数が鈍化し、大手3社がそれぞれ一定の規模を有する日本市場では、携帯各社が積極的に2年縛りを開放する理由は見当たらない。

今回は解約における条件の緩和にとどまったが、これを契機に携帯会社の本丸である2年縛りの撤廃まで影響が及ぶ可能性が出てきた。その時に現行の料金水準は維持されるのか。携帯会社はもちろん、ユーザーにとっても見逃せない議論となりそうだ。