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獣道を歩き始めた「佐世保・女子高生」怒りの理由?


獣道を歩き始めた「佐世保・女子高生」怒りの理由?

けものみち。松本清張の作品タイトルにもある。人の道でないところへ迷い込んでしまう人たちの残念な人生が語られる。

長崎県から発進されるネット情報は混沌としたものだがそれでもおぼろげながら事件の背景が垣間見えてくる。

男は出世欲、金銭欲、所謂下世話な欲望に支配されていたかもしれない。早稲田大学。東京の大学に入りたかった。何を目指していたのだろう。

職場結婚?。仕事の都合の結婚。夫も妻も外に出る家はとても家庭的とは言えない。

女子高生」はそんな家で、5歳上の兄の次の子供として生まれ、育つ。二番目の子供に関心はない?。直ぐに愛情飢餓に襲われていただろう。親の関心は仕事と社会。子供と家庭にはない。親が学校に行くのは子供への愛情でなく自分たちの面子のために行く。

女子高生」の愛情飢餓が癒されることはない。返ってクラスの中では孤立して行っただろう。

前後関係は定かではないが2つの大きな事件があったようだ。

1つは、給食への不適切なものを混入させた事件。クラスは騒然として大騒ぎになるが、メディアへの露出は食い止めた。両親が必死で学校関係、メディア関係に工作したらしい。真実は闇。「女子高生」は意図を砕かれた。既に親への復讐心が芽生えていたのかもしれない。

もう1つは、「女子高生」の弟の突然死〜事故死?。経緯は分からないが腹違いの弟を父親が認知し家に入れたと噂されている。この子の死亡には不審なものがあるようだとも噂されている。この件も、普通の病死のように処理が終わっている。

浮気をして子供まで作って家に入れる父親。家に居ないあるいは居たくない母親。娘は母親の悲しみを感じ取っただろうか。代理殺人?。不慮の事故?。兎に角、障害物は取り除いた。

兄は東京へ追いやられ、その後に母が急死する。「女子高生」は悲しみを胸に抱きながらも、父親と2人だけの家になど耐え難かったに違いない。1秒も同じ屋根の下には居たくなかっただろう。

母親の死因はガンとされているようだが、今の時代にガンで急死することは考え難い。しかし、今回も佐世保警察には何も残っていないのではないだろうか。

直後に父親は再婚している。待っていたかのように。娘を追い出して、母親をあの世に送って、晴れ晴れと再婚しているのだ。この人が異母兄弟(既に死亡)の母親なのか、全く別の人なのか。

もし母親なら、自分の子供を殺されたと思って復讐心を持っていても不思議ではない。

再婚に当たって連れ子はあったのだろう。連れ子の父親は?。其処まで想像するのが小説家だ。

女子高生」はいよいよ追い込まれた。東京の大学を目指すとは、単に東京へ追放されるだけということを知っていたのだろう。受験に失敗しても東京の予備校へ行く。長崎にはもう戻れない。

家庭を顧みず好き放題を、欲望のままに振舞う父親への、復習の機会はますます限られてきた。



父親と同じ仕事に就く親を持つクラスメートは愛情をタップリ受けている。「女子高生」はずっとそのことを知っている。自分とあまりに違う家庭の存在。只の嫉妬心ではない。まるで、自分の父親が仕組んだ包囲網のように存在しているのだ。

夏休み。誰だって家に帰る。「女子高生」は帰省するような遠地に入る訳でもないのに家に帰ることも出来ない。家にも学校にも行けない地獄の夏休みは耐え難い。今しかチャンスはない。

今度こそは父親の隠蔽工作、もみ消しもできないような決定的な事件で無ければいけない。「女子高生」はそう考えただろうか。

それとも、眼前の鬱陶しい存在さえ消えてくれれば良いと考えたかは分からない。どちらにしても、ターゲットを決め方法を決め、計画は実行された。

彼女の非行を悲しむ人は何処にもいない。彼女は孤独な存在を強いられ犯行の前に既に罰を受けていたようなものだ。



父親は今回も事件の隠蔽・揉み消しに走ろうとしているかもしれない。未成年者の人権のために記事の削除を要請し、自分のデータや画像を消去し、ホームページを閉鎖して、社会からの批判を交わそうとしている。

少女を最も傷つけた存在は父親自身であることに何の反省も無く、彼女を隠し続けようとする。本当に隠したいのは自分の不適切な家庭との関わりだろう。



何の罪もない女子高生が犠牲になっている事件の最大要因は加害者となったクラスメートの父親の家庭・家族を省みない強欲人生だったかもしれない。

合掌低頭